就労継続支援B型とは?一般就労が難しい方の就労と自立を支援するサービス
こんにちは、今回は「就労継続支援B型事業所」について詳しくご紹介します。障害のある方やご家族、支援に関わる方々にとって役立つ情報をお届けします。
目次
就労継続支援B型の基本
就労継続支援B型とは、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つで、一般企業での就労が困難な障害のある方に、就労機会と生産活動の場を提供するサービスです。
特徴
- 雇用契約を結ばない「非雇用型」のサービス
- 利用者の状況に合わせた作業や活動を提供
- 工賃(作業の対価)が支払われる
- 一般就労に向けた知識・能力向上のための支援も実施
対象となる方
就労継続支援B型の主な対象者は:
- 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害などがある18歳以上の方
- 一般企業での就労が困難な方
- 就労移行支援事業を利用したが、一般企業への就職が難しいと判断された方
- 50歳に達している方や障害基礎年金1級受給者など
B型事業所での活動内容
就労継続支援B型事業所では、様々な作業や活動が提供されています:
代表的な作業例
- 製造・加工作業: 箱折り、部品組立、袋詰めなど
- 清掃作業: 公園や施設の清掃、リサイクル活動
- 手工芸: 革製品、アクセサリー、小物制作
- 農作業: 野菜や花の栽培、収穫
- パソコン作業: データ入力、名刺作成
- 食品製造: お菓子づくり、パン製造、カフェ運営
各事業所によって特色があり、利用者の特性や地域のニーズに合わせた作業内容が用意されています。
利用の流れ
就労継続支援B型を利用するには、以下の手順を踏みます:
- 相談: 市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に相談
- 申請: 障害福祉サービス受給者証の申請
- 見学・体験: 実際に事業所を見学し、体験利用
- 計画作成: サービス等利用計画の作成
- 利用開始: 受給者証取得後、事業所と契約して利用開始
就労継続支援B型と他のサービスとの違い
就労移行支援との違い
- 目的: B型は継続的な就労の場の提供、就労移行は一般就労への移行を目指す
- 期間: B型は期限なし、就労移行は原則2年間
- 対象: B型は就労が困難な方、就労移行は一般就労を目指せる方
就労継続支援A型との違い
- 雇用契約: B型は結ばない、A型は結ぶ
- 賃金: B型は工賃、A型は最低賃金以上の給与
- 就労時間: B型は柔軟、A型は週20時間以上
工賃について
就労継続支援B型では、作業の対価として工賃が支払われます。
- 全国平均: 月額約16,000円程度(令和3年度)
- 事業所や作業内容、作業時間により大きく差がある
- 障害基礎年金と組み合わせて生活を支える場合が多い
利用者にとってのメリット
- 就労機会の確保: 障害特性に合わせた働く場の提供
- スキルアップ: 様々な作業を通じた技術習得
- 社会参加: 地域での活動を通じた社会とのつながり
- 収入: 工賃による経済的自立への一歩
- 生活リズム: 規則正しい生活の維持
- 自己肯定感: 働くことでの達成感や自信の獲得
事業所選びのポイント
就労継続支援B型事業所を選ぶ際のポイントは:
- 作業内容: 自分の興味や得意なことができるか
- 立地: 通いやすい場所にあるか
- 工賃: 平均工賃はどのくらいか
- 雰囲気: 施設の雰囲気や支援員との相性
- 支援内容: どのような支援プログラムがあるか
- 設備: バリアフリーなど必要な設備が整っているか
まとめ
就労継続支援B型は、一般就労が難しい障害のある方にとって、働く喜びを感じながら社会参加できる大切な場です。単なる作業の場ではなく、人とのつながりや自己成長、社会との接点を持つ場として多くの方の日常を支えています。
事業所ごとに特色があるため、自分に合った場所を見つけるためには、実際に見学や体験利用をしてみることをおすすめします。また、地域の相談支援専門員に相談するのも良い方法です。
障害があっても、一人ひとりの可能性を広げ、その人らしく働ける社会を目指して、就労継続支援B型事業所は今後もさらに発展していくことでしょう。